肌を刺す寒さのせいで私はまた死にたくなった。家までの帰り道、小学生の女の子二人がランドセルを背負って走っている。無邪気な笑い声が私を刺す。小雨が降っている。冷たい水が私を刺す。改装工事で男の人がリズム良くビスを打っている。鋭利なビスが私を刺す。この前東大で人が刺された。この前私と同じ歳の女の子が男を刺して捕まった。今この瞬間にも人の心が抉られている。毎日誰かが刺されている。彼らはいつ死んでしまうのだろう。私は何人刺したのか。そう考えた時、私と関わる全ての人間を傷つけているのではないかと思いとても怖くなる。年々生理痛が酷くなり、痛みが十字架のように私の子宮を刺す。女で良かった。人間でよかった。痛すぎて死ねるかも。