綺麗だった少女の死。

まさに今日でした。今日のあの日、少女はどこかに行ってしまいました。


一概に皆とは言えないけれど、少女達は大人の女性になることへの憧れを強く持つでしょう。小さい頃は母がお化粧をする姿に憧れ、私もよく玩具のメイクセットで目の縁を不器用に彩りお姉さんになった気分で背伸びをしていました。そして少し成長すると思春期になり異性を意識し出します。しかしその境目には、女の子しか感じることの出来ない恐怖があるのです。

一日にも満たない一生分を捧げた私は、今振り返ればまだとても幼い学生でした。


簡単に捧げた訳ではありませんでした。私にとってはとても大きな覚悟でした。そして私の生涯をあげたいと思いました。小さな覚悟を預けた瞬間は何も怖くありませんでした。その時小学三年生の頃に経験した痴漢が頭に過りました。あの時の男と同じ欲求の対象になるのだと思うと気持ち悪くてたまりませんでした。たかが痴漢、しかし然れどです。幼かった私はその日の夜、夢にあの男が出てきて叫んだのを今でも覚えています。

しかし、思春期の私にも恋を経験することが出来ました。



頑なだったはずの無垢な少女はその日どこかへいってしまいました。

とても生暖かく、自分がついさっきまで少女であったことをすぐに忘れてしまいました。