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私がこの世界に居ても良いという理由がほしい。魂と肉が存在する「ここ」は子宮のように心地よく、温度が一度たりとも変わることのない温もりを感じていたい。私が求めるのは、ただそれだけなのだ。私の性欲というものは、常に混沌としている。これはおかしいことなのだろうか。一般には不義と呼ばれているそうだ。然し、そこは決して子宮ではない。

私には性欲の所在が分からない。これは少しだけ悲しい。何故なら、変な考えであると自覚しているからだ。この考えは世間の常識の範囲内ではないけれど、誰も悲しむことのない世界を確立することが出来たら、これが私の倫理となる。私はその倫理を求め、倫理は私を必要とする。釘を刺すが、決して共依存ではない(共依存とは愛の支配であるから、この否定は正当な解釈であると私は信じている)。

そして、私一点に、実態の掴めない不安定な性欲がのしかかるのはとても苦しい。私に性欲を向けないでくれとは微塵も思わないが、私だけでは、性を片づけられない。だから、私には「おかえり」という言葉だけで十分だ。


これが私の家である。