絶望

愛とは、愛とは、
幸福とは。美とは。



私と貴方とは、


全て壊れてしまえば良い。もう十分私は耐えたのよ。現実に蔓延る醜い欲の塊に飽き飽きしたの。

違う。何が違うかって?今の精神に耐えられなくなったのでは無い。そう、この不条理な世界に私は殺されたのだ。綺麗とか醜いとかそういう概念をとっぱらって目に見えない存在に価値をつける行為は、今更どうでも良い。今私が求めているのは絶望だ。何故それを欲しているのかというとちゃんと理由がある。
それは、
こんなにもこんなにも愛しているのに、私が女である事実によって愛が愛でなくなったからである。
理解されなくて結構。この現実に耐えきれなくなった。
汚い、汚い。生きていられない。性を持って生まれた男と女の愛になるのが恐ろしい。そうではないはずなのに悔しくも、これが社会的事実になる。この事実に抗ってはいたものの、私が女であると自覚する度に吐き気がする。他者が男であることに罪はない。問題なのは、私が柔らかい肉を纏っていることである。


だから、私は私でしかない。
そして、貴方も貴方でしかない。
それ以上でも以下でもない。